教科書 〉 相続税
みなし相続財産・非課税財産
最終更新日:2026年7月19日
みなし相続財産(生命保険金・死亡退職金)と、相続税がかからない非課税財産です。
- 生命保険金・死亡退職金はみなし相続財産として課税対象になります(相続税法3条)。
- 生命保険金・死亡退職金の非課税限度額は、いずれも500万円×法定相続人の数です。両者は別枠で、合算せずそれぞれ計算します。
- この法定相続人の数には相続放棄者も含めます(放棄がなかったものとした数)。ただし養子は、実子がいれば1人・いなければ2人までしか数に入りません。
- 墓地・墓石・仏壇・仏具など、日常の礼拝に使うものは非課税財産です(ただし投資の対象や商品として持っているものは除きます)。
生命保険金・死亡退職金の非課税枠
被相続人の死亡により支払われる生命保険金・死亡退職金は、被相続人が保有していた財産ではありませんが、実質的に相続財産と同じ価値があるためみなし相続財産として課税されます。一方で、遺族の生活保障の性格があるため一定額が非課税とされます。
- 非課税限度額=500万円×法定相続人の数(生命保険金・死亡退職金それぞれに別枠で適用)。
- 相続人が受け取った保険金等の合計が限度額を超える場合、各相続人の非課税額は限度額 ×(その相続人が取得した金額 ÷ 全相続人が取得した金額の合計)で按分します。
- 相続放棄をした人が受け取った保険金等には、非課税の適用がありません(放棄者は非課税を受ける側にはなれません)。ただし放棄者も「500万円×法定相続人の数」の人数(分母)には含めます。
- 養子の数の制限(実子ありは1人・実子なしは2人まで)は、この人数の計算にも及びます。一方、非課税の適用を受けられる対象者としては、保険金を取得した養子は全員が対象です(人数の上限と、適用対象者の範囲は別の話です)。
主な非課税財産(相続税法12条)
墓所・霊びょう・祭具など
墓地・墓石・仏壇・仏具・神たな・位はいなど、日常の礼拝の用に供しているものは非課税です。ただし投資の対象として、又は商品・骨とう品として所有しているものは非課税になりません。
判断の分かれ目は材質ではなく「保有目的」です。
弔慰金
弔慰金は12条の非課税財産そのものではなく、まず一定額まで課税対象外とされ、それを超える部分が退職手当金等として扱われます。非課税とされる範囲は、業務上の死亡なら普通給与の3年分、業務外の死亡なら半年分です。
この枠を超えた部分が退職手当金等に該当し、そこで初めて「500万円×法定相続人の数」の非課税枠にのります。
⚠ 号番号のズレについて(重要)
令和8年4月1日から、相続税法12条1項の号番号が1つずつ繰り下がりました(公益信託に関する法律の施行に伴い、新しい号が挿入されたためです)。これにより、条文上は生命保険金の非課税が第6号、死亡退職金の非課税が第7号になっています。
- 国税庁の通達(相続税法基本通達)やタックスアンサーは、まだ旧番号のままで更新されていません(旧番号では生命保険金=5号、死亡退職金=6号)。
- 市販の教材・過去問と、条文や実務で引く通達とで、号番号が食い違う場面が出てきます。本文では号番号ではなく「誰が・いくら・どう按分するか」という内容で理解しておくのが安全です。
実務ポイント
受取人が相続放棄をしていると、生命保険金の非課税枠は使えません(放棄者は「法定相続人の数」には入れるのに、非課税を受ける側にはなれない、という非対称に注意します)。適用の可否判断が実務のポイントです。
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