教科書 〉 法人税
益金・損金の通則と収益費用の計上時期
最終更新日:2026年7月19日
益金・損金の通則と、いつ計上するか(計上時期)です。収益の計上時期・費用の債務確定・租税公課の扱いを押さえます。
- 益金・損金は別段の定めを除き一般に公正妥当な会計処理によります(法人税法22条4項=公正処理基準)。
- 損金の3区分:法人税法22条3項は、①原価(収益に個別対応)/②費用(期間対応かつ債務が確定したもの)/③損失(発生したもの)です。「債務の確定」が要件になるのは②の費用だけです。
- 収益の計上時期の原則は「引渡し又は役務提供の日」です(法人税法22条の2第1項)。公正処理基準に従い、その日に近接する日に計上することも認められます(同2項)。
- 租税公課の損金算入時期:申告納税方式(事業税等)は申告書提出日、賦課課税方式(固定資産税等)は賦課決定日等になります。
- 法人税・住民税・延滞税・加算税・罰金は損金不算入です。
収益の計上時期(法人税法22条の2)
平成30年度改正で収益認識の規定が条文化されました。適用は平成30年4月1日以後に「終了」する事業年度からです(「開始」ではありません=会計基準側が「開始」基準なので混同しないようにします)。
原則と「近接する日」
1項=資産の引渡しの日又は役務の提供の日の属する事業年度の益金に算入します。2項=公正処理基準に従って、その日に近接する日に確定決算で収益として経理した場合は、その近接する日でも認められます。
計上する金額(4項・5項)
- 計上額は引渡しの時における価額(第三者間で通常付される価額)です。
- 貸倒れ・買戻しの可能性は織り込みません(この2つの事実だけです)。値引き・割戻し等の変動対価は5項の対象外で、一定要件のもとで織り込めます=方向が逆なので注意します。
棚卸資産の引渡しの日
出荷した日/船積みをした日/相手方に着荷した日/相手方が検収した日/相手方が使用収益できることとなった日の5つが同格で列挙されています(法基通2-1-2)。合理的と認められる日のうち、法人が継続して収益計上する日によります(税務署長の承認・届出は不要です)。
債務確定基準(法基通2-2-12)
費用(法人税法22条3項2号)を損金にするには、期末までに債務が確定していることが必要です。次の3要件すべてを満たすことをいいます(AND)。
- ①債務が成立していること。
- ②その債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること。
- ③金額を合理的に算定することができること。
- 🔴 ③は「合理的に算定できる」ことで足り、「金額が確定していること」までは要求されません(最も狙われる論点です)。なお償却費は債務確定の対象外です。
短期前払費用(法基通2-2-14)
前払費用でも、支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るもので、継続してその支払った事業年度の損金としているものは、支払時の損金にできる特例です。
- 起算点は「支払った日から1年以内」です(事業年度末からでも契約期間からでもありません)。
- 例:3月決算法人が3月末に支払い、対象期間が4月〜翌年3月ならOK。2月に支払って対象期間が4月〜翌年3月だと、支払日から1年2か月先まで及ぶため否認されます=この1か月の差が核心です。
- 借入金を預金・有価証券等の運用に充てている場合のその借入金の支払利子は、無条件に対象外というわけではなく、条件付きで否認されます。
実務ポイント
事業税は原則として申告書を提出した翌期の損金、法人税・住民税は損金不算入——この区別は別表調整の基本です。ただし事業税・特別法人事業税には、前期分を申告前でも見越し計上できる特例(法人税基本通達9-5-2)がある点もあわせて押さえておきましょう。
この教科書は、運営者が構成を設計した上で生成AIを併用して執筆し、公開前に運営者が内容を確認しています。 学習の参考としてご利用いただき、重要な判断の際は教科書や公式資料もあわせてご確認ください。 誤りを発見した場合は、ページ下部、またはお問い合わせにある投書箱よりご連絡ください。