寄附金は支出額の全額が損金になるわけではなく、損金算入限度額を超える部分が損金不算入になります。限度額は「一般の寄附金」と「特定公益増進法人等に対する寄附金(別枠)」で異なります。
🔴 算式の基礎は「資本金等の額」ではない
一般の寄附金の限度額の計算に使う資本の基準は、「資本金の額及び資本準備金の額の合計額」又は「出資金の額」です(法人税法施行令73条1項1号イ)。2022年(令和4年)4月1日改正でこう変わっています。
古い問題集や解説サイトは「資本金等の額」のままなので、現行法で計算していることを意識してください。
一般の寄附金の損金算入限度額(普通法人等)
〔資本基準額〕+〔所得基準額〕をそれぞれ求め、その合計額の1/4が限度額です。
- 資本基準額=(資本金の額+資本準備金の額の合計額 又は 出資金の額)÷12×当期の月数 ×(2.5/1,000)。
- 所得基準額=所得の金額 ×(2.5/100)。
- 月数按分は資本基準額にだけかかり、所得基準額にはかかりません。月数は暦に従い、1か月未満の端数は切り捨てます。
特定公益増進法人等への寄附金(別枠)
独立行政法人・日本赤十字社・一定の学校法人・社会福祉法人など特定公益増進法人等への寄附金には、上の一般枠とは別枠の特別損金算入限度額があります=〔(資本金+資本準備金 又は 出資金)÷12×月数×(3.75/1,000)〕+〔所得×(6.25/100)〕の合計額の1/2です。
- 国・地方公共団体に対する寄附金と財務大臣が指定した指定寄附金は、限度額の枠外で全額損金算入されます。
- 別枠の限度額を超えた部分は一般枠の寄附金として扱われますが、別枠の使い残しが一般枠に上乗せされることはありません。
完全支配関係がある法人間の寄附金(全額損金不算入)
法人による完全支配関係がある法人間の寄附金のうち、法人税法25条の2第2項に規定する受贈益の額に対応するものは、限度額の計算をするまでもなく全額が損金不算入になります(法人税法37条2項)。
受け取った側では法人税法25条の2により受贈益の額が全額益金不算入となり、グループ内で所得を付け替えられないしくみになっています。
- 🔴 限定は二重にかかっています。①「法人による」完全支配関係に限られ、一の者が個人である完全支配関係は対象になりません。②受贈益の額に対応する部分に限られます。「完全支配関係があれば常に全額損金不算入」と覚えると誤りになります。
- 一の者が法人であれば、その間に個人が介在して間接に保有している場合でも適用があります(法人税基本通達9-4-2の5)。逆に、相手方が公益法人等で収益事業以外の事業に区分経理されている場合は適用がありません(同9-4-2の6)。
寄附金とされるもの(対価性のない支出)
対価性のない支出は寄附金として扱われることがあります。たとえば、要件を満たさない任意の債務免除は、貸倒損失ではなく寄附金になります。
別表4では社外流出として調整します。